オフィス移転時は電話移設工事が必要?注意点や業者選びのポイントを紹介
オフィスを移転するときはさまざまな手続きが必要ですが、電話移設もそのひとつです。オフィスで使用している電話移設工事は通常の電話工事よりも要する時間が長いことから早めの対応が必須です。
オフィス移転でおこなうべき電話移設工事の対応事項やオフィス電話の回線の種類などを紹介しているので、オフィス移転をスムーズに進めたい人は参考にしてください。
目次
オフィス移転しても電話番号が変わらないか確認する方法や内容とは?
オフィスを移転させるときはそれまで使っていたものを新しいオフィスへ移動させますが、オフィス用品を移動させるだけではなく手続きや工事が必要な場合があります。代表的なものとして固定電話が挙げられますが、現在使用している電話番号がそのままの利用できる場合と電話番号を変更しなければならない場合に分けられます。
オフィス移転のどのような場合に電話番号が変わらないのか、確認する方法などを紹介しているので、オフィス移転を検討している人は確認事項をチェックしておきましょう。
契約中の通信会社に電話番号が変わるか確認する
現在使用しているオフィスの固定電話の電話番号が変わるか確認するときは、契約中の通信会社へ連絡します。電話番号が変わるのは、オフィスの移転先が現在のエリアと異なる場合です。
NTTを例に挙げると基地局(収容局)ごとに電話番号が割り振られているため、移転先のエリアが変わるとそのままの番号を使い続けることができなくなるということです。しかし、現在のエリアと同じところに移転するからといって必ずしも同じ電話番号を使えるというわけではない点は押さえておきましょう。
慌てないためにも、オフィス移転によって電話番号が変わるかは事前に通信会社へ確認して把握しておくことを推奨します。現在使用している電話番号をそのまま使いたい場合は同じ管轄のエリアへのオフィス移転を考えるのも1つの方法です。
また、市外局番を有さないインターネット回線を利用した“050”などから始まるIP電話を使用している場合は電話番号の変更は必要ありません。IP電話すべてが電話番号が変わらないわけではなく、050から始まるIP電話以外を使っている場合はエリアによって電話番号が変わります。
いずれにしてもオフィス移転を検討しているなら、早い段階で契約中の通信会社に確認することが確実な情報を知れる手段です。
使用中の電話機器をそのまま使えるか確認する
オフィスで使用している業務用の電話機“ビジネスフォン”は主装置と複数台の電話機を接続してから使用することが大半ですが、ビジネスフォンへ変更する場合は主装置を設置するなど新たに電話機器の購入が必要になる可能性があります。
移転にともない業務を拡大する場合や、新たな機能などを充実させたい場合など受けられるサービスを見直したいと考えているなら、オフィス移転と同時に新たな電話機器を検討するのもありです。
現状の電話機器で問題なければ移転先でそのまま電話機器が使用できるか確認しましょう。
オフィス移転で電話番号を変えずに使える方法はある?
オフィス移転で電話番号が変わると顧客対応なども増えるため、できるだけ変えたくないと感じるかもしれません。“050”などから始まるIP電話を使用している場合は電話番号の変更は必要ないと説明しましたが、ここではIP電話以外で電話番号を変えずに済む方法があるかを紹介します。
同じエリアにオフィスを構える
基地局(収容局)ごとに電話番号が割り振られており、現在と同じ管轄のエリアだと電話番号が変わらない可能性が高いと前述しました。つまり、新しいオフィスを現在のオフィスと同じエリアに構えると電話番号をそのまま使えるということです。
しかし、同じエリアであっても必ずしも同じ電話番号が使えるわけではないので事前に確認してからの行動が必須です。また、電話番号を変えたくないためにオフィス選びが制限されるのは現実的ではないので、この方法を選択する場合は近隣へオフィスを構えようと考えている人に限定されるでしょう。
クラウドサービスを利用する
オフィスを移転する前に“クラウドPBX”というクラウドサービスを導入していれば現在の電話番号をそのまま使える可能性があります。インターネットを経由した電話サービスで設置工事などが不要な点や初期費用が抑えられる点などのメリットが挙げられます。
導入するまで期間は短くて済みますが移転前に導入しておく必要があるので、これからオフィス移転を進めるなら対策候補のひとつです。ただし、状況によっては対応不可で電話番号を変更せざるを得ない場合もあるため、オフィス移転を考えていて電話番号を変えずに引き継げるかを確認したうえで導入するかどうかを検討するのが適切です。
オフィス移転を決めたら対応すべきこと
オフィス移転を決めたら電話の移設が必要です。しかし、そのほかにも対応すべきことが多いため、どのようなことをおこなうべきかを把握してスムーズに準備を進めていくことが重要です。
とくに、電話移設工事をおこなう業者選びは慎重に選択することをおすすめします。オフィス移転に向けて計画を立てて逆算しながら、余裕を持って対応していくようにしましょう。
電話移設工事をおこなう業者を選ぶ
電話移設をおこなう際は、契約中の通信会社に連絡すれば終わりではありません。自ら業者を手配するなどの働きかけが必須で、大きくわけて以下の2つの工事が必要です。
- 通信会社 :電話回線工事
- 電話移設工事会社:電話機設定工事、屋内配線工事
とくに、電話移設の工事をおこなう業者選びは注意が必要で、業者ごとにどのような違いがあるかを理解してから選びましょう。費用面やサポート体制などで後悔しないためにもすぐに決めるのではなく、複数社を比較検討してから決めるのが好ましいです。
電話線の配線方法や電話回線の種類など要望どおりに対応してもらえるかを確認する意味でも最低でも2,3社は比べるのがおすすめ。業者選びで確認するポイントは、適正な費用で納得できる対応をしてくれるかどうかです。
どのような技術やサービスを提供してくれるかや、サポートの充実度なども抜かりなくチェックしましょう。業者を実際に利用した人の口コミなども参考にして、しっかりと対応してもらえるところを見極めます。
オフィスの電話主装置の設置場所や回線を選ぶ
ビジネスフォンを利用するときは主装置をどこでも置けるわけではなく、条件を満たした場所にしか設置できません。ビジネスフォンには、電話機の通話制御を行う「主装置」が必要です。オフィス間のやりとりに欠かせない内線や外部との通話は主装置を経由して行われるため、常に問題なく稼働するよう電源を共有する必要があります。主装置の設置場所に電源があるか、ケーブル用の配管の空きがあるかをあらかじめ確認するようにしましょう。
また、主装置は精密機器のため、設置場所の温度や湿度などにも注意しましょう。機器に直接日光が差し込まず、多湿を避けられる設置場所を確保することを念頭に置いて事前に決めるようにします。
また、オフィスの電話回線はどれも同じではなく選ぶものによって回線ごとに特徴があります。それぞれの特徴を把握したうえで、自分たちが仕事をするなかで使いやすいと感じるものを選択するのがベストです。(回線ごとの特徴の詳細は後述します。)
オフィスの電話回線の種類や特徴とは
オフィス電話の回線は選択する回線によって音質や着信を受けられる数、停電時に利用できるか、別途回線契約が必要かどうかなどの違いがあります。回線ごとの種類や特徴を紹介するので、求める条件を満たせる回線か比較してから決めるようにしましょう。
インターネット利用時は別途回線契約が必要なアナログ回線
アナログ回線は長く使われてきた代表的な回線で、1つの回線につき1つの着信のみが原則となっています。複数の着信を受けたい場合には適さず、インターネットを利用したい場合は、アナログ回線の契約とは別にインターネット回線が必要です。
停電時にも利用できるなどの特徴などもありますが、2024年1月をもってアナログ回線は廃止されました。これは、通信環境の急激な変化で固定電話の契約数が減退したことが関わっており、IP網へ移行しています。
これまでアナログ回線を利用していた場合はアナログ回線が廃止されたからといって使えなくなるわけではなく、IP電話へと切り替えられているので回線が変更になっており、そのまま電話は使用できます。
デジタル回線のISDN回線は、アナログ回線よりも音質や複数回線を利用できる点が優れていますが、こちらも2024年1月をもってサービスが終了されました。通話モードは引き続き利用できるものの、デジタル通信モードは2028年12月31日をもって補完サービスが終了となるため、オフィス移転に合わせて回線見直しを検討するのも1つの方法です。
手間が少なく導入しやすいIP電話回線
インターネット回線を利用したIP電話回線は、コストを抑えられるのが特徴です。アナログ回線は距離によって通話料金の変動があったものの、IP電話は距離による通話料金の変動はありません。
また、電話回線を引く必要もないので初期費用を抑えられる点もメリットです。ただし、停電時は電話が使用できず、一部かけられない電話番号があるという側面も持ち合わせています。
IP電話はインターネット回線を利用しているものなので、他のシステムと組み合わせることで仕事効率がアップするのにも一役買ってくれます。システムなどによってはパソコンと顧客情報を連携し通話内容の録音などができる場合もあります。
通信速度が速くオフィス利用にも適したひかり電話回線
IP電話のひとつでもあるひかり電話回線は光ファイバーを用いており通信速度が速いため、オフィス利用にも適しています。アナログ回線やISDN回線の廃止にともない事務所で使用する回線として今後さらに利用者が増加することが見込まれます。
通話できる電話機を拡張できるなど融通が効く点もオフィス向きの回線として紹介できますが、IP電話同様停電時には使用できません。
オフィス移転で電話工事するときに注意すべきポイント
オフィス移転を決めたら電話工事をおこなう前に知っておくとよい注意すべきポイントを押さえておきましょう。いざ電話工事を始めてから後悔しないためにも、どのような仕組みで工事はどのくらいの期間がかかるものなのかを把握しておくことが重要です。
新オフィスの営業をスムーズに始められるように手順を追って着実に準備を進めていきましょう。
電話移設の工程には数か月を要するため、早めに着手する
オフィス移転にともなう電話工事は連絡して即日対応できるものではありません。契約する回線の種類や要望などによっても変わりますが、電話移設にかかる時間は1ヵ月程度は見ておく必要があります。
さらに、仕事の合間を縫っての業者との打ち合わせなどを考慮すると数ヵ月前から動き出すのがおすすめです。とくに、繁忙期などと重なると工事枠が埋まっている可能性も出てくるため、オフィス移転を決めたら並行して電話移転についても対応していきましょう。
業者を比較する段階でいつ頃に工事が完了するかも併せて確認すると依頼してからの相違もなくせます。
電話機器や装置など新規購入が必要な場合がある
現在使用している電話機器や装置がある場合はそのまま使えるのであれば使いたいと思うかもしれませんが、状況によっては新規で購入が必要な場合もあります。これまでよりも優れた機能を備えたものを使うときや、増設したいなどの要望がある場合は、それらに現在の機器が対応していないものもあるので新たに購入しなければなりません。
オフィスの電話料金で月々かかる費用とは別に、電話機器や装置の購入にかかる費用があることを見込んでおくと安心です。
NTTと専門業者の電話工事は種類が異なる
オフィス移転にともなう電話移設工事は前述したとおり、NTTや専門業者などによる2つの業者が工事を担当します。通信会社に連絡したらすぐに使えるものではなくそれぞれ依頼をかけてからおこなわれるものなので、電話工事の手配は早い段階で行動に移すべきことです。
NTTと専門業者ではおこなう工事が異なるため、それぞれの工事の日程調整も必要です。業者ごとに担当しているおもな工事内容は以下のとおりです。
- NTTによる電話工事 :交換機工事、屋内配線工事
- 専門業者による電話工事:主装置の設置工事、電話配線工事、電話機設定工事
これまで使用していた電話機器の回収や新規設置など、状況や要望によっても対応は異なるため、詳細は依頼する業者に確認して把握しておきましょう。
必要に応じて電話番号変更のお知らせを顧客に通知する
オフィスを移転することでこれまで使用していた電話番号が使えなくなる場合は、電話番号が変更になる旨を顧客に知らせておくことも忘れずにおこないましょう。オフィスが移転することに加え電話番号が変わることを伝え、電話番号を移行する間業務に支障をきたさないような配慮が求められます。
いつ頃から新しい電話番号に切り替わるか明確な期間を伝えるようにしましょう。また、事務所のホームページや名刺などに電話番号の記載があれば、住所などの記載変更と併せて電話番号も変更します。
工事をして終わりではなくオフィス移転に従い変更しなければならない点は多いため、いつまでに何をしなければならないかをリストアップしておくとよいです。電話工事が終わっていなくても新しい電話番号がわかった時点でお知らせや変更などの手続きはできるので、顧客に関わることは優先的におこなうようにしましょう。
オフィス移転のタイミングがおすすめ!電話移設と同時に考えるとよいこと
契約中のサービスなどは日々業務をおこなうなかで見直す機会は少ないですが、調べてみると現在使用しているものよりも価格面や機能面で優れたものが見つかることも。事務所が変わるタイミングだからこそ見直してみるよい機会です。
新しいオフィスに変わってから力を入れたいものや、現在使用しているサービスに要望があるなら他のサービスと検討するのもありです。今後に備えセキュリティ対策を強化したい、テレワークをおこなえる環境を整備したいなど、業務内容や新しい働き方を導入すると業務効率がアップすることにもつながります。
現在使用しているサービス会社にそのままオフィスが移転する手続き連絡をするのもよいですが、改善点などがあるならこの機会を活かすのもひとつの方法です。電話回線を例に挙げると、アナログ回線やISDN回線が廃止されたことから他の回線を検討するなどもこれに該当します。
複数の会社が提供しているサービスはそれぞれ特徴があるため、現状に合ったサービスを選ぶことがより充実したオフィスワークを送れるコツです。
オフィス移転が決まったらやるべきことを確認しよう
オフィス移転にともなう電話移設や工事について紹介してきましたが、電話移設の他にもオフィス移転に関わる手続きや対応は多岐に渡ります。多くの対応が必要だからこそ、何からしなければならないかわからず大変そうと感じるかもしれません。
通常業務をしながらのオフィス移転の対応は大変だからこそまとめてサポートしてくれる業者選びをおすすめします。オフィス移転をするときは何から手をつければよいかわからない……と悩んでいるなら“NURO Biz”が提供する「オフィス移転が決まったらやるべき17のやることチェックリスト」で必要な対応を確認できます。
時系列でオフィス移転に必要な手続きなどが解説されているので、順を追って対応すればOKです。ネットワークやセキュリティ対策などビジネスのあらゆるサービスを担っている会社が提供しているサービスなので安心です。
\ この記事を書いた人! /
移転Biz編集室
こんにちは、移転Biz編集室です! オフィス移転の際に役立つ情報をお届けします。