オフィス移転時の配線のポイントとは?主な工事内容やすっきりさせるコツ、アイデアなどを解説!

オフィスでは、パソコンやサーバー、電話、オフィス機器といった設備が多く、配線が複雑になりやすいです。配線の課題を放置すると、職場の生産性が低下するほか、通信トラブルの火種にもなりかねません。オフィス移転は、配線を最適化する良い機会です。
今回は、オフィス移転時の効率的な配線設計の重要性と、主な工事内容やすっきりさせるコツ、アイデアなどを解説します。配線整理・配線工事の依頼に迷ったときには、おすすめの業者も紹介しているので、必要に応じて相談を検討してみてください。
目次
オフィス移転における効率的な配線設計

オフィス移転時に深く考えずに配線すると、従業員の生産性低下やトラブルのリスク増加を招く恐れがあります。移転前に事務所の効率的な配線設計の重要性を理解しておきましょう。
オフィス移転で事務所の配線を検討する重要性は場所によって異なります。まずは、床や机などの場所別に配線の重要性を解説します。
床の配線
オフィスにおける床の配線は、歩くときに足が引っかかって人が転倒するリスクにつながります。
配線が抜ければ機器が停止するといったトラブルが生じる恐れもあります。もしケーブルを断線してしまったら交換しないと機器を利用できない事態に陥るかもしれません。
床の配線には危険性が潜んでいるので、オフィス移転時には床下配線や適切な配線管理方法を検討しましょう。
机の配線
机の周りの配線が乱れていると、マウス操作がしにくかったり、事務用品を置きにくかったりして、社員の生産性が低下する恐れがあります。
また、机の周りは廃熱ファンや静電気などによってホコリが蓄積されやすく、掃除が必要になりやすいです。
常に掃除しやすい環境に整えるためにも、配線を整理することが望ましいでしょう。
オフィスの配線工事の内容

オフィスではインフラ環境を整えるためにさまざまな種類の配線工事が必要です。配線工事の内容をざっと把握しておくだけでも、オフィス移転時に注意すべき配線にも気づきやすくなるでしょう。
続いては、オフィスにおける代表的な配線工事の内容を解説します。
電気工事
オフィスのインフラを整備するうえで最も基本となるのが電気工事です。電気がなければ照明やパソコン、空調なども利用できません。
一般的にはフロアコンセントの増設、VVFケーブルの接続、安全ブレーカーの設置などを行います。配電盤から各コンセントやスイッチの位置を計画して、電気配管を敷いて配線を通す流れです。
LAN(無線・有線)
LANとはLocal Area Networkの略称であり、特定のエリアだけで接続できるネットワークを意味します。
LAN工事は、ケーブルを使って接続する有線LANを構築するパターンと、Wi-Fiを使ってケーブルなしで無線LANを構築するパターンに分かれます。
有線LANは通信が安定しやすい一方で物理的な配線が増えやすく、無線LANは物理的な配線を減らせる一方で通信が不安定になることもあります。メリット・デメリットを踏まえたうえで自社に適したネットワークを構築することが重要です。
電話配線
オフィスの電話システムは、各電話機を意味する端末機と、電話回線全体を制御する主装置で成り立っています。
主装置から各端末機に1本ずつモジュラーケーブルを接続したり、主装置と端末機の間にローゼットという機器を設置して配線を分岐させたりします。
主装置の設置場所については下記の記事でも解説しているので参考にしてみてください。
スピーカー
オフィスでは、BGMや呼び出しなどの放送目的で、スピーカーを導入することがあります。
スピーカー工事では、スピーカーやアンプなどをケーブルで配線します。配線で使われるケーブルは、スピーカーケーブルやEAケーブルなどです。
コストを削減したいのであればスピーカー数を少なめにします。一方、小さい音で違和感なく全体につなげたい場合はスピーカー数を多めにします。
防犯カメラ
オフィスで内部社員の不正や不法侵入者の犯罪などを防ぐのに防犯カメラも役立ちます。
防犯カメラは、電源とカメラを別々のケーブルで配線したり、電源とカメラを1本の同軸ケーブルで配線したりできます。
ネットワークカメラの場合はLANケーブルを使用するのが一般的です。
防犯カメラ以外のセキュリティ対策が気になった方は下記の記事も参考にしてみてください。
オフィスの配線が乱雑…移転ですっきりさせるには?

オフィスでは、配線が乱れていることによって景観が損なわれ、従業員がストレスを感じることもあります。取引先からの印象をよくするためにもすっきりとした状態に保つのが望ましいです。
オフィス移転を機に配線をすっきりさせるにはどうすればよいのでしょうか。
ここでは、オフィス移転を機に配線をすっきりさせるポイントについて解説します。
配線整理グッズを活用する
オフィス移転の配線をすっきりさせるには、積極的に配線整理グッズを活用するのがおすすめです。よくある配線整理グッズを表にリストアップしてみたので、気になったアイテムがあれば利用を検討してみてください。
グッズ | 概要 |
---|---|
配線カバー・配線隠し | 空洞になっているレールの内側にケーブルを通して隠せる。 |
ケーブルチューブ・結束クリップ | 巻きつけたり、はさんだりしてケーブルをひとまとめにできる。 |
ケーブルホルダー | 机などに磁石で配置して一時的に外しているケーブルを固定しておける。 |
ケーブルカバーマット | マットの下に溝があってケーブルを通せる。 |
ケーブルボックス | 電源タップのように配線が密集する機器をケーブルとともに丸ごと覆うことができる。 |
オフィスでOAフロアを採用する
OAフロアとは、オフィスの配線を収納できる二重床です。OAは、Office Automationの略称であり、オフィスの自動化・効率化を意味します。
床と設置したパネルの間に隙間を確保して配線を通す仕組みです。床の上にケーブルをつたわせる必要がなくなり、オフィスの見栄えをすっきりさせられます。
配線の位置を気にしないで済むため、オフィス家具を自由に配置できるのも便利です。
電源タップで配線を整理する
電源ケーブルはバラバラな場所のコンセントに挿入すると、ケーブルが多方面に広がり、乱雑になるリスクが高まります。
電源タップを導入して配線を集約することも検討しましょう。電源タップとは、1つのコンセントから複数の電気器具に電気を供給できる設備用品です。
オフィスのデスクではパソコンやディスプレイなどがあり、複数のケーブル接続が必要になります。電源タップでケーブルを集約すれば、ケーブル接続の流れが整理できるため、乱雑な状況をやわらげやすくなるでしょう。
天井から配線する
OAフロアでない場合は、壁のコンセントなどからテーブルのパソコンに電源を取るケースもあります。
天井に配線ダクトレールを設置して電気配線を引き込み、天井からコンセントを利用できるようにすることも可能です。足元のコードが散乱して乱雑になるといった事態を防ぎやすくなるでしょう。
配線不要なクラウドPBXを導入する
オフィスにおける電話の配線整理に役立つのがクラウドPBXです。クラウドPBXとは、主装置(PBX)をクラウド上で活用して社内の電話機能を利用するサービスです。機器を設置してケーブルを配線する必要がありません。
オフィス移転を機にクラウドPBXを導入すれば、電話配線をなくして社内空間の見栄えをすっきりさせられます。通常のビジネスフォンよりコストも削減できるでしょう。
オフィスにコンセント付きのテーブルを配置する
オフィスでは、テーブルやデスクの周りでも配線が必要になりやすく、コンセント付きのテーブルを配置することで見栄えをすっきりさせることもできます。
たとえば、天板の中央に複数のコンセントを備えたミーティングテーブルがよい例です。
会議をするときにメンバーのそれぞれがノートパソコンの充電ケーブルを離れたコンセントに接続する必要がなくなります。ミーティングの度にケーブルが広範囲に散乱する事態を回避できるでしょう。
オフィスにおけるネットワーク配線整理のアイデア

オフィスにおけるネットワーク配線整理のアイデアは、主に「結束する」「隠す」「収納する」「丸める」「集約する」といった考えに分けられます。
それぞれのアイデアを把握しておけば、ネットワークのケーブルをきれいにまとめる方法が思い浮かびやすくなるでしょう。
引き続き、オフィスにおけるネットワーク配線整理のアイデアを解説します。ネットワーク配線整理の方針が決まらない場合は、それぞれのアイデアをヒントにしてみてください。
アイデア1.結束する
オフィスのネットワーク配線整理のアイデアとしてケーブルを結束することが挙げられます。
具体的には結束バンドを使って束ねることが可能です。ケーブルが一つにまとまるため、絡み合って見栄えが悪くなる事態を回避できます。
ナイロン式は強度が高い一方で解除するときにハサミで切る必要があり、マグネットテープ式は強度が劣る一方で気軽に取り外せます。
強く締めすぎると内部にダメージが生じて、通信状態に悪影響を与える恐れもあります。配線整理の際にはきつく締めすぎないように注意しましょう。
アイデア2.隠す
オフィスのネットワーク配線整理のアイデアとしてケーブルを隠すのもおすすめです。
具体的にはケーブルにカバー(モール)を被せるようにして見えなくします。
床や壁などにケーブルを隠しながら固定することが可能です。コーナー用のカバーを使えば、壁と床の境界でケーブルを隠すこともできます。ケーブルが露出しないため、人がつまずく心配もなくなります。
色に関してはオフィスの壁や床に応じて選ぶのが一般的です。床は灰色、壁は白が選ばれやすいので参考にしてみてください。
アイデア3.収納する
オフィスのネットワーク配線整理のアイデアとして機器やケーブルを収納する方法も検討できます。
ネットワークを構築するときには、ケーブルだけでなくルーターやONU(回線終端装置)なども設置します。オフィスによっては人が座る場所などに設置され、接触による故障が懸念される場合も珍しくありません。
各機器とケーブルをボックスに入れてまとめることで、接触トラブルのリスクを回避しやすくなるほか、見栄えもきれいになります。
アイデア4.丸める
オフィスのネットワーク配線整理のアイデアとしてケーブルをまとめる方法も検討できます。
オフィスで使用するLANケーブルが長すぎると、余った部分が絡まって見栄えが悪くなる恐れがあります。
LANケーブルを円を描くように丸めることで美しく見せやすいです。
市販のケーブルは、使いたい長さで販売されるとは限らず、どうしても余ってしまうことがあります。必要に応じて丸めるという配線整理のアイデアを試してみてください。
オフィスの配線整理・配線工事を依頼するのにおすすめの業者

オフィスの配線整理・配線工事に悩んだときは、業者に相談することが選択肢となります。ただ、調べると数多くの会社がヒットして、どこの会社に頼めばいいかわからなくなることもあるでしょう。
また、オフィス移転などであれば配線整理・配線工事以外にも、インターネット環境やセキュリティ環境の見直しまで相談したいケースもあります。
そのような場合はネットワークの幅広い課題に対応できる企業も相談先として検討してみてください。
通信スピードが遅い場合におすすめのインターネット回線や、安心してテレワークに専念できるセキュリティサービス、VPN接続に関するサービスなどを提案してもらえます。
大手であればサービスの導入事例がホームページで細かく公開されていることも多いです。透明性の高い情報に基づきサービスが提供されるため、配線整理・配線工事を安心して依頼できるでしょう。
オフィス移転でインターネット回線の乗り換えに迷った場合は下記の記事を参考にしてみてください。
オフィスの配線整理・配線工事とネット環境の悩みを相談するならNURO Biz!

オフィスの配線整理・配線工事、ネット環境の悩みを相談したいときにおすすめなのがNURO Bizです。
NURO Bizでは、ネットワーク環境の導入、構築、運用課題について最適なソリューションを提供しています。
たとえば、「NUROアクセス 10G」という法人向け高速インターネット接続サービスでは、上下最大10Gbpsの高速回線を導入できます。
テレワークやリモートアクセス、クラウドアクセスの安全性を高めることができるVPN接続サービスまで提供することも可能です。
オンライン商談にも対応しており、各種サービスについて質問や見積もり相談を受け付けています。
配線整理・配線工事も含めてお困りごとがあれば、ぜひNURO Bizにお問い合わせください。
オフィス移転の配線に関する気になるQ&A

ここまでの説明で、オフィス移転に際して知っておきたい配線の知識がだいぶ深まったでしょう。
ほかにもオフィス移転の配線に関して疑問が残っている方もいるかもしれません。
ここでは、オフィス移転の配線に関する気になる疑問についてQ&A形式で回答します。
Q1.オフィスのコンセントはどこに配置する?
A1.オフィスのコンセントは、デスクまわりや会議室などに配置することが多いです。
デスク周辺はパソコンやディスプレイ、電話機、スピーカー、照明などを使用するため、たくさんのコンセントが必要になりやすいです。
また、会議室ではノートパソコンやプロジェクター、マイクなどを使用するので、コンセントが不足しないように注意する必要があります。
ほかにもコンセントが必要になりやすい場所はオフィスによってさまざまです。事前に現オフィスで従業員にコンセントの利用状況を確認して、移転後のオフィスに反映するとよいでしょう。
オフィス移転におけるアンケートの実施方法について知りたい方は下記の記事もおすすめです。
Q2.有線LAN工事は自分でできる?
A2.簡易的な設置・設定作業なら可能です。
ルーターと少し離れたパソコンで有線LANを構築したいケースであれば、業者に依頼せずとも自分でケーブルを接続すれば通信環境を整備できます。
たとえば、個人事業主が自宅の1階にあるルーターと2階のパソコンを接続して有線LANを構築するケースがよい例です。ケーブルを床や壁に適宜固定することで見栄えをよくすることもできます。
無線LANで通信が不安定になるようであれば、自分で有線LAN工事ができないか検討してみましょう。大規模な場合は、無理せず専門業者に依頼するのが安心です。
Q3.会議室でケーブル整理をするポイントは?
A3.会議室でケーブル整理をするときは、ほとんど動かさない線をまとめましょう。
会議室でよく動かすケーブルを隠したり保護したりしてしまうと、抜き差しするときに支障をきたしてしまいます。
利用頻度を考慮して、ほとんど動かさないケーブルをまとめて、収納用ケースに入れるなどすれば、不便を感じずに配線整理を行えます。
ただ、配線整理をしてもテレビ会議の画面でケーブルが映れば、社外の方に与える印象もよくないでしょう。ケーブルが画面に映っていないかどうかも配線整理の際に確認が必要です。
Q4.LANケーブルを巻いたままにしても大丈夫?
A4.LANケーブルは適切に丸めれば巻いたままでも問題ないといわれています。
インターネットの回線速度に影響はないようです。
ただ、ケーブルを小さな円を描くように巻いてしまうと、きつくなって線の負担が増える恐れがあります。
巻いたままにするときは、なるべく緩やかな円を描くように調整したほうがよいでしょう。
まとめ

今回はオフィス移転における配線整理の必要性や、配線工事の内容、すっきりさせるコツ、アイデアなどを解説しました。
配線整理を怠ると、社員の集中力低下、つまずきによる断線など、会社に悪影響が生じやすくなります。
特に配線はそのまま放置すると乱雑になってしまいがちです。各種配線工事を適切に実行するだけでなく、すっきりと見えるような見栄えに整える必要もあります。配線整理グッズを取り入れたり、電源タップでケーブルの流れを整理したりする工夫も必要です。
なお、オフィス移転では配線工事・配線整理以外にもやることがたくさんあります。ほかのスケジュールもふまえたうえで、配線工事・配線整理を計画しなくてはなりません。
オフィス移転でやることをまとめたマニュアル記事と無料のチェックリストをご用意しているので、スケジュールや流れを詳しく知りたい方はぜひお役立てください。
\ この記事を書いた人! /

移転Biz編集室
こんにちは、移転Biz編集室です! オフィス移転の際に役立つ情報をお届けします。