オフィス移転の荷造りで失敗しないための6つのポイントや梱包方法
オフィス移転の中で荷造りは重要な作業ですが、他のことを優先して、つい後回しになりますよね。本業と同時並行して荷造りをする場合は、時間が限られるため、計画的に進める必要があります。
当記事では、オフィス移転の荷造りを効率的に進めるためのポイントをご紹介します。併せて、荷物の種類ごとに適した梱包方法まで解説しています。ぜひ記事を参考に準備を進めてください。
目次
オフィス移転の荷造り前にやるべきこと
まずは荷造りの前に、事前準備から始めましょう。ここでは、荷造り前にやるべきことをご紹介します。
社員へ荷造りの指示を出す
荷造りに伴い梱包に関して社内全体に情報共有する必要があります。社員が荷造りの方法や流れを理解できていなければ、積極的な協力は得られず、移転業務が滞る可能性が高くなります。社員へ指示を出す場合は、以下の4点を網羅できているとよいでしょう。
- 梱包の作業内容
新オフィスへ移動させる荷物の梱包方法や廃棄物の分別方法を記載 - スケジュール
荷造りをいつまでに完了させるのか、引越し当日までのスケジュールを記載 - 重要書類の管理方法
重要な契約や手続きに関するデータの管理方法を記載 - 引越し後の流れ
引越し後の業務再開の流れについて記載
会社の規模が大きい場合は、オフィス移転日の約2ヵ月前を目処に、全社員へ説明会の機会を設けるとより周知しやすいでしょう。
荷造りリストや梱包スケジュールをまとめておく
梱包をする際は、以下4つのステップで進めていきましょう。
①荷造りリストの作成
スムーズに荷造りを進めるためには荷造りリストを作成することが大切です。ある程度、梱包する荷物が把握できることで、荷物の量に合わせた資材の調達がしやすくなります。また、量が把握できると、ある程度いつまでに何を終わらせておくべきなのか、全体スケジュールに目処が立ちやすくなります。
②梱包する荷物をカテゴリーに分ける
「オフィス家具」「書類やファイル」など荷物をすべて分類します。
③梱包の優先順位を決める
荷造りリストを作成する際は、カテゴリーに分け、早めに梱包できるものと直前で梱包するものを分けます。
④荷造りリストを作成する
荷物の種類ごとに、梱包方法や期日をリスト化しておきます。ある程度荷造りの期限や担当者を記入しておくことで、職員の役割分担が明確になり、進捗管理が把握しやすくなるでしょう。
荷造りはオフィス移転日の2~3か月前から計画的に始めよう
オフィス移転の荷造りは、2~3か月前からスケジューリングの検討を開始し、移転日の2~3週間前頃から少しずつ荷造りを進めることがおすすめです。特に、不用品の分別や廃棄処理には予想以上に時間がかかることがあるため、早めの対応が重要です。
段階的な荷造りとしては、以下のようなスケジュールが考えられます。
- 2〜3ヶ月前:不要品の洗い出しと廃棄計画の立案
- 2~3週間前:使用頻度の低い備品や書類の梱包
- 1週間前:日常的に使用する物品の梱包
このように段階的に進めることで、業務への影響を最小限に抑えつつ、効率的に荷造りを行うことができます。
余裕を持って作業ができるように、早めに取り掛かると移転作業を計画的に進められるでしょう。もし、作業が遅れた場合は土日をうまく活用したり、廃棄物の処理が間に合わない場合は一時的に別の場所に避難させたりして柔軟に対応しましょう。
荷造りで必要な5つのもの
ここからは、荷造りで必要な物品5つをご紹介します。
段ボール箱
段ボール箱は、ある程度の衝撃にも優れており大容量の荷物を詰められます。荷物の大きさや形はさまざまであるため、大中小の段ボールを揃えておくと便利です。
引越し業者に依頼する場合は、無料で段ボールが配布されるため、準備の必要がありません。
オフィス移転用に段ボールを販売しているネット通販もあります。OA機器用の頑丈な段ボールや、テープを使わずに開け閉め可能な段ボールまで揃っているため便利です。
また、「段ボール箱はいくつ用意したらいいかわからない」のような疑問が出てくると思います。
ネット上で、大まかな荷物の個数を記入すると、自動で段ボールの数を算出してくれるため、これらのシミュレーションを参考に注文するとよいでしょう。
クラフトテープ・養生テープ
引越し作業に用いられるテープには主に2種類あり、適宜使い分けることが重要です。クラフトテープは、粘着性の高いクラフト紙でできたガムテープです。段ボールの底面を補強する際はクラフトテープを使用します。
一方、養生テープは日光や雨などの耐久性にも優れており、手で簡単に切れるテープです。クラフトテープと比較して粘着性は劣りますが、1度貼っても剥がしやすく跡が残りにくいのが特徴です。
デスクの引き出しが運搬中に飛び出さないように補強する際は、養生テープを使用します。また、傘やコード類も養生テープで束ねることが可能です。
気泡緩衝材
気泡緩衝材は、いわゆるプチプチの愛称で親しまれているクッション材です。陶器などの割れ物や、衝撃に弱い機材などを包み込み段ボールへ入れます。
梱包作業は、たくさんの気泡緩衝材を使用するため、ロールタイプの緩衝材を購入しておくとよいでしょう。さまざまな形の大きさに切れるため、どのような形の物品でも包み込めます。
エアークッション
エアークッションは、中に空気が含まれているクッション材です。気泡緩衝材よりも幅があるため、割れ物を入れた段ボールの隙間を埋めたり物品を包み込んだりできます。
エアークッションがない場合は、新聞紙やクラフト紙、タオルなどでも代用できるでしょう。ネットや100円ショップでも手に入るため、足りなくなった場合はすぐに買い足せます。
ラベルシール
ラベルシールは、梱包した段ボールに何が入っているのかすぐに確認するための重要なアイテムです。
ラベルシールには、中身の内容だけでなく、運搬する詳細の場所や氏名も記入できるため、オフィス移転作業をスムーズに進めるためには必須です。
もとから段ボールに項目が記載しているものもあるため、あらかじめ購入先の段ボールを確認しておきましょう。
荷造りを効率的に進める6つのポイント
ここからは、荷造りを効率的に進めるポイントを6つご紹介します。
- ①段ボールは正しい組み立て方で耐久性を高める
- ②荷物のサイズに合った段ボールを使用する
- ③中身がわかるようにラベルシールを活用する
- ④デスクの引き出しにテープを貼っておく
- ⑤OA機器はデータのバックアップを済ませておく
- ⑥廃棄物が発生したら分類して一箇所にまとめておく
①段ボールは正しい組み立て方で耐久性を高める
段ボールの組み立て方によって、耐久性の強度は異なります。段ボールの強度を高める方法の手順は以下の通りです。
- 手順①短いフタを両方折り曲げる
- 手順②長いフタを折ってピッタリと合わせる
- 手順③クラフトテープで「H」or「+」の型で貼り付ける
段ボールに貼るテープはクラフトテープを使用してください。書類や書籍などの重量のある物品を入れる場合は、「H」型で貼る方がより強度が増します。
強度を高める方法として段ボールの底をクロス組にすることが知られています。しかし、クロス組では底が抜けやすい構造になっており、重量物を入れるのは不向きなため注意してください。
②荷物のサイズに合った段ボールを使用する
書類や書籍などを1つの段ボールにまとめようとすると、ギリギリまで詰め込みがちになります。しかし、重い荷物を大きな段ボールに詰め込むと、重さに耐えきれずに底が抜ける可能性があります。
書籍類は、Sサイズの小さめの段ボールに、8割程度で収まる量で詰め込みましょう。女性1人で持ち上げられる重さが理想です。スムーズにオフィス移転作業を進めるためにも、段ボールの重量には十分注意しましょう。
③中身がわかるようにラベルシールを活用する
段ボールの中身がすぐにわかるように、ラベルシールを貼りましょう。ラベルシールには、段ボールの中身や氏名、引越し先の置き場所などが記載できるため、引越し作業がスムーズに進みます。
ラベルシールを段ボールの上に貼ると、積み重ねた際にラベルシールが見えないため、側面に貼るのがよいでしょう。
④デスクの引き出しにテープを貼っておく
運搬時に、デスクの引き出しが飛び出さないようにテープで固定しておきましょう。この作業を忘れると、運搬時に従業員が怪我する可能性があります。
固定する際のテープは、養生テープがおすすめです。クラフトテープだと、粘着力が強いため剥がした後に、跡が残りやすくなります。デスクの引き出しにテープを貼る作業を忘れないよう、しっかり最後にチェックしてください。
⑤OA機器はデータのバックアップを済ませておく
パソコンなどのOA機器は、引越し作業前に必ずバックアップをとっておきましょう。パソコンの中には、会社の顧客情報や重要なデータがたくさん入っています。
運搬中に壁にぶつかった衝撃や落下により、パソコンは傷がついていなくてもデータが破損してしまうこともあります。
業者に運搬を依頼した際に、パソコンのデータが破損していても傷が見当たらない以上、業者は責任を取らないこともあります。
そのため、データのバックアップは必ず行い、部署ごとにチェックする従業員を決めておくと良いでしょう。
⑥廃棄物が発生したら分類して一箇所にまとめておく
引越し作業の中で、物品を整理していると不用品が出てきます。オフィスで出た不用品は、家庭から出たごみを捨てるように廃棄できず、ルールが複雑です。
オフィス内に廃棄物をバラバラに置くと、搬入物と混ざり作業が進みにくくなります。そのため、分別のルールなどをあらかじめ従業員に共有しておくと、スムーズに移転作業が進められるでしょう。
以下の記事では、オフィス移転時に出た廃棄物の分別・処理方法について詳しく解説しています。
荷物の種類ごとの荷造り・保管の仕方
ここからは、荷物の種類ごとに梱包や保管の仕方を解説します。
- OA機器や周辺機器の場合
- 顧客情報が書かれた書類
- グラスや食器類
- オフィス家具
OA機器や周辺機器の場合
OA機器などの破損しやすいものは、段ボールに詰め込む前に気泡緩衝材で包み込み、本体を保護しましょう。
デスクトップパソコンは、ディスプレイが露出しているため、気泡緩衝材で画面側が分厚くなるように包み込みます。箱詰めの際は、運搬中にパソコンがずれないように、エアークッションなどで隙間を埋めましょう。
ノートパソコンに関しては、手持ちで運ぶのがベストですが、難しい場合は気泡緩衝材で二重に巻いて梱包します。ノートパソコン用の段ボールもあるため、心配な方はぜひ活用をおすすめします。
特にOA機器などは、ぶつかった衝撃でデータの破損に繋がる恐れもあるため、頑丈に丁寧に荷造りしましょう。
周辺機器に関しても、同様に気泡緩衝材に包みます。引越し先で、ケーブルの接続にてこずらないように、パソコン本体とケーブルに番号のテープを貼り付けてからコードを抜くようにしましょう。心配な場合は写真に収めておくと、わからなくなっても見返せるためおすすめです。
顧客情報が書かれた書類
顧客データベースなどの個人情報に関わる書類は、情報漏洩の観点から慎重に取り扱わなければなりません。
万が一、書類の紛失や情報が漏れると会社の信用を失くす可能性があります。たとえ、業者や友人などに引越しの手伝いを依頼しても、個人情報などの書類は自分で責任を持って管理してください。
不要な書類が出てきた場合は、シュレッダーにかけるか「溶解処理サービス」を利用するとよいでしょう。
「ヤマト運輸」「大塚商会」「日本郵便」などの企業では、手渡された箱に重要書類を入れて、窓口に持っていくだけで書類を処分してくれます。
段ボールが開封されることなく、工場で箱ごと溶かして処分されるため、情報漏洩の心配はありません。重要なデータの扱いは、会社の信用にも繋がるため、責任者が最後まで細心の注意を払って保管、廃棄しましょう。
グラスや食器類
グラスや食器類は、少しの衝撃でもヒビが入ったり割れやすくなっていたりします。1つずつ気泡緩衝材や新聞紙で包み、衝撃に耐えられるように丁寧に梱包しましょう。
割れ物を入れる段ボールは、底に気泡緩衝材を敷きます。グラスなどは、横向きに入れてしまうと上からの圧力がかかって割れやすいため、立てて入れてください。
箱詰めした後に、箱を揺らしてカチャカチャと音がしないか確かめましょう。少しでも動く音がしたら、新聞紙や気泡緩衝材などで隙間を埋めてから運搬してください。
オフィス家具
オフィス家具は、ものによっては大きさがあるため、取り扱いには十分注意が必要です。そのまま運べない場合は、一旦解体して会社から運び出さなければなりません。
解体の際に、ネジなどの細かい部品が散らばらないよう1つの袋に保管しましょう。新オフィスで組み立てる際は、説明書などがあれば大丈夫ですが、ない場合は手順やパーツの位置などをメモに残しておくと、組み立て作業がスムーズにいきやすいでしょう。
オフィス移転の荷造り・引越し作業まで業者への依頼がおすすめ
オフィス移転の荷造りや引越し作業は、専門的な知識を持った業者へ依頼するのもおすすめです。荷造りや引越し作業まで従業員のみで行うとなると、手間や時間もかかり本業に支障をきたす可能性もあります。
什器の解体・組立てや運搬作業などは、素人だけでは難しいこともあるため、従業員だけで行うとかなりの時間を要するでしょう。
業者によっては、荷造りや不用品の回収、什器の解体・組立て、OA機器の運搬などのあらゆる専門作業に対応しています。
業者を選ぶ際は、必要としている作業の分野に特化しているのか確認し、見積もりを出してもらいましょう。
(まとめ)オフィス移転の荷造り作業は計画的に進めよう
オフィス移転をスムーズに進めるには、事前にスケジュールを組み立て、従業員へ周知することが大切です。荷造り作業は、オフィス移転日の1週間前から開始し、余裕を持って進めていきましょう。
什器解体作業や搬出・輸送作業は、専門的な知識が必要になる場面もあるため、従業員だけでの作業は厳しいこともあります。人手が足りない作業や専門的な知識が必要な作業だけ、専門の引越し業者に依頼するのもおすすめです。
それぞれ、専門性に特化した業者を選び、オフィス移転作業をスムーズに進めていきましょう。
\ この記事を書いた人! /
移転Biz編集室
こんにちは、移転Biz編集室です! オフィス移転の際に役立つ情報をお届けします。