オフィス移転プレスリリースの書き方!読まれる5つの秘訣を紹介
「オフィス移転を機にプレスリリースを書いて企業の認知度を高めたい…。」
「実際どのような手順で書いたらよいかわからない…。」
このようにお考えの広報担当者の方や経営者の方は多いのではないでしょうか。オフィス移転に合わせてプレスリリースを配信することで、幅広い層の方に企業の取り組みや将来性を伝えられます。
当記事では、プレスリリースの基本的な書き方やポイントをお伝えします。さらに、より具体的に書き方を学べるように事例も紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
目次
プレスリリース=公式文書!プレスリリースの基本を解説
プレスリリースは、企業の新しい活動に関して報道機関を介し、一般社会全体に発信するための「公式文書」です。
プレスリリースは、ニュース記事として取り上げられることで、自社の認知度を高める重要な役割を果たします。「大手企業だけが発表するもの」と思われがちですが、実際には中小企業でも効果的に活用できるツールです。
ただし、プレスリリースは単なる自社の宣伝広告ではありません。メディア関係者に向けて、価値のある情報を提供することが本来の目的であることを理解しておくことが重要です。
プレスリリースの配信方法
ここでは、プレスリリースの配信方法を解説します。
配信方法
配信方法は下記の通り、主に三つの選択肢があります。
- 直接メディアに記事を送る方法
- プレスリリースの代行業者に依頼する方法
- PR TIMES やアットプレス等のプラットフォームで配信する方法
1.直接メディアに記事を送る方法
直接メディアに記事を送る場合、ただ大量に送るだけでは効果が期待できません。オフィス移転と親和性が高いメディアを選ぶことが大切です。メディアの掲載されている記事や特集をみて、親和性を判断して送りましょう。
2.プレスリリースの代行業者に依頼する方法
プレスリリースの代行業者への依頼は、プレスリリースを書き慣れていない方やよりよい効果を期待したい方におすすめの方法です。プレスリリースの代行業者へ依頼する場合は、過去の実績を確認して、自社に適した会社か判断することが大切です。
3.PR TIMES やアットプレス等のプラットフォームで配信する方法
PR TIMES やアットプレス等のプラットフォームで配信するのも効果的です。これらのサービスは多くのメディアとの連携があり、幅広い配信が可能です。例えば、PR TIMESは上場企業の59%以上が利用しており、月間約9000万PVの閲覧数を誇ります。
プレスリリース配信サービスを選ぶ際は、配信先メディア数、料金プラン、効果測定機能などを比較検討することが重要です。
配信のタイミング
オフィス移転のプレスリリースは、「オフィス移転前」と「オフィス移転後」のどちらかで配信します。それぞれのタイミングには以下のメリットがあります。
移転前のメリット | 移転後のメリット |
---|---|
・取引先や顧客に早く情報が伝えられる ・移転に伴う業務への影響を早めに伝えられる | ・新オフィスの写真や具体的な設備情報を掲載できる ・移転の成功をPRできる |
オフィス移転による業務への影響が大きい場合や、立地が大きく変わる場合はオフィス移転前にリリースするのがよいでしょう。
一方、同じエリア内での移転や新オフィスで実際に働いている環境をPRしたい場合は、オフィス移転後に配信するのがおすすめです。
もちろん、移転前・移転後の複数回にわたって配信するのも効果的です。
会社がオフィス移転でプレスリリースを出すメリット
オフィス移転の情報をプレスリリースで配信するメリットを解説します。
潜在層へ企業の認知度が高まる
プレスリリースは、読者が無料で閲覧できるため、多くの人の目に触れる可能性があります。自社商品や事業内容などを知らない人にも認知してもらえるきっかけになり、新規顧客を獲得するチャンスが広がるでしょう。
例えば、従業員の生産性向上を目的としたオフィス移転の場合、具体的な取り組みや働きやすさを伝えることで就活生や転職希望者の関心を引くことが期待されます。
このように、オフィス移転のプレスリリースは、企業の認知度向上だけでなく効率的な人材獲得にもつながります。
移転の目的や背景などの細かい情報を伝えられる
プレスリリースでは、オフィス移転の決定だけでなく、新オフィスに関する詳しい情報を発信できます。
一般的なハガキやメールの移転のお知らせでは、新しい住所や事業開始日などの基本情報のみを載せる場合が多いですが、プレスリリースではより詳細な情報発信が可能です。
例えば、新オフィスの内装や設備はもちろん、移転の目的や企業のビジョンなどを詳しく掲載できます。
このように具体的な情報を伝えられることで、より読者の興味を惹くだけでなく、企業の認知度を高めるきっかけにもなるでしょう。
報道関係者に刺さる!プレスリリースを書く際の5つのポイント
ここからはプレスリリースを書く際のポイントを5つご紹介します。
- ニュースにする価値があるのか検討する
- 端的で読みやすい文章を心がける
- タイトルは本文執筆前後で考えて完成させる
- 画像や補足資料を添えて読み手の理解を高める
- ストーリーを持たせた内容で親近感を持たせる
プレスリリースは、直接メディアに送っても、必ずニュースとして配信されるとは限りません。メディアには、毎日のように大量の情報が送られてくるため、目を通すメディア担当者の興味を一瞬で惹く必要があります。まずは、メディア関係者に読んでもらうためにも、以下の5つのポイントをしっかり把握しましょう。
1.ニュースにする価値があるのか検討する
どんなに文章やレイアウトがキレイにまとまっていても、ニュースにする価値のない内容であればメディア担当者の目には留まりません。「ニュースとしての価値」とは、その内容が報道するに足る重要性を持っているかどうかを指します。
メディア関係者は、メディアに掲載すべき情報だけを選んで取材しています。そのため、プレスリリースを書く際は、「他社と比べて新規性があるか」「社会的な意義はあるのか」といった観点から評価するとよいでしょう。
そのほかにも「世界初・日本初」「環境問題を解決」などの内容であると、メディア担当者の目にも留まり、選ばれやすくなるでしょう。ただし企業の公式情報として、過大な表現をしていないかには細心の注意を払いましょう。
2.端的で読みやすい文章を心がける
プレスリリースは誰でもわかりやすく内容を伝えることが大切です。基本的に本文は、「ですます調」で書くように意識しましょう。
また、「〜しております」「申し上げます」などの謙譲語は、文章が長くなり読みにくい印象を与えるため、なるべく使用を控えてください。プレスリリースはビジネス文書なので、感嘆符(!)の多用や絵文字など、砕けた表現も避けましょう。
内容を正確に伝え、わかりやすくするには、本文中で重要な情報を太字や下線で強調することが効果的です。これにより、読み手の注意を引きやすくなります。
シンプルで読みやすい文章や、効果的な装飾を施すことでより多くの人に内容が伝わるプレスリリースに仕上がります。
3.タイトルは本文執筆前後で考えて完成させる
タイトルはメディア担当者が一番初めに目にし、読むか否かを判断する箇所なので、記事の作成前後でじっくりと考えましょう。メディア担当者が、1日のうちに目を通すプレスリリースの数は数百〜数千とも言われており、1リリースにつき1秒ほどしか時間をかけていないこともあります。
その中で、最初に目につくタイトルでメディア担当者の興味を惹きつけられるかが重要になります。タイトルには、「誰が」「いつ」「どこで」という基本情報を盛り込み、タイトルを見ただけで記事の内容がわかるように考えてください。
また、タイトルは30文字以内を目安に作成し、具体的な数値を含めることで読者の目を引く効果があります。
まずはタイトルを3〜5つほど作成し、最終的に第三者の意見を取り入れながら検討してください。記事の作成前後でじっくりと考え、より多くの読者の目に留まるタイトルに仕上げましょう。
4.画像や補足資料を添えて読み手の理解を高める
プレスリリースの中に、画像やグラフなどの図解を入れて説明することで、読み手の理解を深められます。
文章だけのプレスリリースでは、単調で堅苦しい印象を与えるでしょう。例えば、新オフィスの写真や事業成長を示すグラフなどを入れることで、読者の理解が深まり、印象に残りやすくなります。
プレスリリースに写真を使用する際は、著作権や肖像権などの権利に抵触しないよう、有料の写真素材や自社で撮影した写真を使用しましょう。
5.ストーリーのある内容で親近感を持たせる
プレスリリースには、事実の情報だけではなく、メディア担当者が興味を持って深掘りしたくなるストーリー性を持たせることが大切です。
ストーリー性のあるプレスリリースは、読者の心により深く響く効果があり、企業を身近に感じられます。
例えば、オフィス移転の背景には、収益拡大による従業員数の増加や、働き方改革の推進などの目標があるかもしれません。これらの目標を伝えるだけではなく、「従業員の声を反映し、より良い職場環境を実現するため、オフィスの内装にこだわった」などの具体的なエピソードを盛り込むことで、内容に厚みが出ます。
企業の過去から現在に至るまでのストーリーを書くことで、読者の共感が得られるプレスリリースになるでしょう。
オフィス移転専用!プレスリリースの書き方5ステップ
ここからは、プレスリリースの書き方を5ステップでご紹介します。
- ステップ1. タイトル:端的かつインパクトを持たせる
- ステップ2. リード文:5W2Hを意識する
- ステップ3. 本文:リード文の内容をより具体的に書く
- ステップ4. 画像:働く新しい環境をわかりやすく伝える
- ステップ5. 企業情報:読者や報道関係者に配慮した情報を入れ込む
ステップ1.タイトル:端的かつインパクトを持たせる
プレスリリースのタイトルは最初に目につき、その先の文章を読み進めるか判断するため、インパクトのある内容を心掛けましょう。
タイトル例:株式会社◯◯、2024年11月14日より新築オフィスへ移転
▼タイトルに入れ込む情報
誰が | 企業名を記入する |
いつ | 特定的な移転日や時期 |
どこへ | 移転先の場所 |
文字数が30文字より多すぎる場合、タイトルの表示が見切れてしまい、必要な情報が伝わらない可能性もあります。上記の必要な情報を盛り込んだうえで、30文字以内に設定するよう心がけましょう。
ステップ2.リード文:5w2hを意識する
プレスリリースのリード文は、タイトルの次に読まれる内容です。タイトルと同様、読み手にこの先の文章を読んでもらえるように読者の興味を惹く必要があります。
リード文の理想の文字数は250〜300字程度で、それ以上長くなると忙しいメディア担当者から読まれない可能性が高くなります。リード文を書く場合には、5W2Hを意識しましょう。
▼5W2Hに沿ったリード文の例文
Who(誰が) | 会社名(代表取締役社長 CEO ◯◯ ) |
What(何を) | オフィスを移転します |
When(いつ) | 20xx年12月1日 |
Where(どこで) | 東京都千代田区の新オフィス |
Why(なぜ) | 事業拡大により |
How(どのように) | 緑が広がる開放感のある立地に移転 |
How much(どれくらいの効果) | 社員や顧客の満足度の向上を目指す |
基本的にリード文は、タイトルの内容をより詳しく書くように意識し、必要な情報を盛り込むことで、移転の目的や新オフィスの情報を端的に伝えられます。
ステップ3.本文:リード文の内容をより具体的に書く
リード文の次に読まれる本文は、リード文の内容をより詳細に書いていきます。内容は、オフィス移転に至った経緯や新しいオフィスの環境、今後の展望などを、ストーリー性を持たせながら1000文字を目安に書いていきます。
オフィス移転の目的や目標などは、メディア担当者が興味を持つ情報であるため積極的に取り入れていきましょう。
また、環境づくりにこだわったポイントや関わった社員のコメントも載せることで、移転の目的や背景、理由をより具体的に訴求できます。
ステップ4.画像:働く新しい環境をわかりやすく伝える
移転先の新オフィスの魅力を伝えるためにも、写真や動画を活用してプレスリリースに掲載しましょう。新オフィスの説明文だけでは、メディア担当者に魅力が伝わりにくい可能性があります。
オフィスが完成している場合は、実際に新オフィスの写真がおすすめです。移転前にリリースする場合は、新オフィスの完成イメージ図などを載せるとわかりやすいでしょう。
オフィスの場所をよりわかりやすくするために、外観や周囲の景観がわかる写真を載せるとより良くなります。1枚のプレスリリースには、最低3〜5枚の写真を目処に掲載しましょう。
ステップ5.企業情報:読者や報道関係者に配慮した情報を入れ込む
プレスリリースを読んで興味を持ったメディア関係者が連絡しやすいように、企業情報を細かく記載しましょう。
【新オフィス概要】
業務開始日:20××年7月7日(月)
新所在地:〒150-8510 東京都渋谷区渋谷2-21-1 渋谷ヒカリエ
TEL:01-0000-0000(代表)
FAX:03-3333-3333
【会社概要】
会社名:株式会社●●●●
代表者:代表取締役社長 △△△△
所在地:東京都千代田区永田町1-1-1
TEL:03-1111-1111
FAX:03-1111-1111
URL:http://www.example.jp
E-Mail:info@example.jp
事業内容:●●●●
【本件に関するお問い合わせ】
会社名:株式会社●●●●
担当者:▲▲▲▲
TEL:03-1111-1111
FAX:03-1111-1111
E-Mail:info@example.jp
特に広報担当者の電話番号を明記することで、外部からの問い合わせに迅速に対応できます。
プレスリリースを書く際の3つの注意点
プレスリリースを書く際、書き慣れていない担当者が陥りやすい落とし穴があります。プレスリリース作成時の注意点を具体的に解説していきます。内容は以下の通りです。
- 専門用語は使用せず誰でもわかる文章を意識する
- 略語は使用しない
- 根拠のない誇大表現は使用しない
専門用語は使用せず誰でもわかる文章を意識する
プレスリリースの文章では、業界独特の業界用語や専門用語を使用しないよう注意しましょう。
専門用語が使われている場合、内容がわかりづらくなり最後まで読まれない可能性があります。専門用語を使用する場合は簡単に説明文を補足しておき、初めて目にする人でも理解できるような工夫をしましょう。
また、文章の完成度を上げるために、業界外の第三者に原稿を読んでもらい、多くの読者に情報が正確に伝わる文章であるか確認してもらうと安心です。
略語は使用しない
プレスリリースは正式な文書であるため、略語などの使用は避けましょう。特に専門用語の略語は、難易度が高く文章の理解がきわめて難しくなります。一般的な表現に置き換えましょう。
根拠のない誇大表現は使用しない
メディア担当者の注目を集めようとするあまりに、「日本初!」「業界初!」などの根拠が乏しい文言は使用しないようにしましょう。
提出先のメディアからの信用を損なうだけでなく、企業の社会的な信用も失う可能性があります。根拠となるデータや情報があれば、記載するのは問題ありません。
正確で信頼性の高いプレスリリースを作成するためには、具体的な数値やデータ、第三者による評価の引用を用いることで、より質の高いプレスリリースが完成するでしょう。
オフィス移転のプレスリリースの3つの事例
ここからは、実際に掲載された企業のプレスリリースの事例を活用して解説していきます。
株式会社ジョイカルジャパン:読み手に伝わりやすい新オフィスの写真を掲載
株式会社ジョイカルジャパンは、新車および中古車販売の事業を手がける企業です。2023年時点では、売上高は120億円を超えており、18年連続で売上を伸ばし続けています。
株式会社ジョイカルジャパンは、ビルの建て替え工事に伴い2024年にオフィスを移転しました。以下に、プレスリリースでの訴求ポイントを紹介します。
- タイトルが30文字以内で、企業名・本社オフィスの移転・移転日が端的にわかる
- 社員が実際に働いている新オフィスの写真を掲載
- 「事業拡大と売上向上」「従業員の働きやすい環境を追求」とわかりやすい目標を提示
参考:ジョイカルジャパン、本社オフィスを2024年4月1日より移転
株式会社良品計画:旧オフィスの課題と、それを解決する新オフィスの工夫を紹介
株式会社良品計画は、無印良品を展開する企業で、2024年2月に新オフィスへの移転を発表しました。以下に、プレスリリースでの訴求ポイントを紹介します。
- 旧オフィスで発生した課題をリストアップし、対応する新オフィスの工夫を詳細に説明
- コミュニティスペースや商品開発スペースなど多様な場があり様々な企業が参考にできる
- 写真を豊富に使ってイメージしやすくしている
参考:良品計画 新オフィスでの営業開始とオフィス事業拡大のお知らせ
株式会社バイオフィリア:新規性を打ち出したアイデアでインパクトのある記事
株式会社バイオフィリアは、犬猫用のフレッシュペットフードを提供するスタートアップ企業です。「ココグルメ」や「ミャオグルメ」などのペットフードを開発し、売り上げNo.1を誇っています。以下に、プレスリリースでの訴求ポイントを紹介します。
- 「新時代オフィス」などと明記することでニュースバリューを提供
- 従業員に喜ばれる福利厚生などの施設が充実していることを訴求
- ペットとの共生オフィスを実践する理由が詳しく記載してありストーリー性がある
参考:ペットとの共生を体現する新時代オフィスが完成。ペット同伴ワークを実践するバイオフィリアが組織拡大でオフィス移転
まとめ:プレスリリースを活用しオフィス移転のニュースを効果的に発信しよう
プレスリリースは、報道機関を通じて、企業の活動をニュース記事として届ける「公式な文書」です。
プレスリリースを各種メディア担当者に読んでもらうためにも、書き方の基本を押さえ、相手の興味を惹く文章を考えなくてはなりません。
そのためには、以下の5つのポイントを確認しながら進めることが大切です。
- ニュースにする価値があるのか検討する
- 端的で読みやすい文章を心がける
- タイトルは本文執筆前後で考えて完成させる
- 画像や補足資料を添えて読み手の理解を高める
- ストーリーを持たせた内容で親近感を持たせる
オフィス移転の記事を取り上げられることで、より多くの消費者に企業の魅力や取り組みを効率的に伝えられます。
結果として、プレスリリースを通して新しいビジネスへ発展する可能性もあるため、今回の記事を参考にしながら、メディア関係者の目に留まる文章を書き上げてください。
オフィス移転には、プレスリリースのほかにも数多くのタスクが伴います。効率よくオフィス移転の準備を進めるために、チェックリストの活用も検討してください。
\ この記事を書いた人! /
移転Biz編集室
こんにちは、移転Biz編集室です! オフィス移転の際に役立つ情報をお届けします。