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オフィス移転の費用を補助金・助成金で捻出! おすすめ6選と申請の流れや注意点を徹底解説

オフィス移転では、内装の工事や什器の購入などで、たくさんの費用が発生しがちです。コストが膨らむと、移転後の事業に使える資金が減り、新体制の経営が逼迫してしまいます。

オフィス移転の費用に悩む方は、コストを削減できる補助金・助成金の活用がおすすめです。

今回は、オフィス移転を通信サービスでサポートする事業者の立場から、オフィス移転に関する補助金・助成金の基礎知識をおさらいしつつ、オフィス移転におすすめの補助金・助成金を6つに厳選してご紹介します。なお、各制度について対象者や条件、補助金額、具体的に補助される経費などの要点を表でもまとめました。

本記事を読めば、オフィス移転に関する補助金・助成金の概要をスムーズに把握して活用を検討できるでしょう。オフィス移転の費用を少しでも抑えたい方はぜひ参考にしてみてください。

オフィス移転に関する補助金・助成金の基礎知識

オフィス移転において補助金・助成金を有効活用するには、基礎知識を押さえておく必要があります。まずは補助金・助成金の概要と、オフィス移転における活用法、公募要領の読み方などについて解説します。

基礎知識1.補助金・助成金の概要

補助金と助成金は、国や地方公共団体、民間団体などが支給しているお金です。

ただし、申請すれば必ず受給できるわけではなく、基本的に審査を受けなければなりません。

補助金と助成金は厳密に区別されていませんが、おおよそ受給の難易度が異なる傾向があります。

補助金は、採択件数や金額が事前に決められているケースが多く、審査で落とされる可能性も高くなります。公募期間内に書類を準備して、申請の妥当性・必要性を論理的に伝えなくてはなりません。

その一方で助成金は、要件を満たせば受給できる可能性が高いです。補助金を受給する場合は特に書類審査に力を入れる必要がある点について最低限理解しておくとよいでしょう。

基礎知識2.オフィス移転における補助金・助成金の活用法

オフィス移転では、新たなオフィスに必要な環境構築の費用が発生します。主な費用の例は下記の通りです。

  • 内装工事費(床や壁、天井などオフィスの内装に関する工事費用)
  • インフラ工事費(電気や電話、LAN工事に関する費用)
  • 什器購入費(新しいオフィス家具、備品、道具などの購入費用)

高性能なIT機器を導入したり、セキュリティを厳重にしたりする場合はコストが膨れ上がるかもしれません。しかし、補助金・助成金の中には機械装置・システム構築費や、セキュリティサービスの利用費などが対象として認められる場合もあり、コストの増大を抑えることができる可能性があります。

また、オフィス移転では不要な設備を処分しなければならないケースもあるでしょう。補助金・助成金の中には設備の処分費などが対象として認められる場合もあり、処分費まで節約できる可能性があります。

補助金・助成金をオフィス移転に活用すれば出費を大幅に削減できるでしょう。

基礎知識3.補助金・助成金の公募要領の読み方

補助金・助成金には、公募要領で応募に関するルールや規則が細かく記載されています。文章量が膨大なので、忙しい方だと読むのが負担になりやすいです。

まずは対象者を確認して自社が対象かどうかを判断すると、無駄に公募要領を読み込む事態を回避できます。

また、補助金・助成金によって申請可能な費用が異なります。公募要領で申請したい経費が対象になっているか確認が必要です。

同じ補助金・助成金でも枠ごとに費用が定められるケースもあります。公募要領を読むときは異なる枠の費用を見間違えないよう慎重に確認してください。

オフィス移転に活用できる補助金・助成金6選

オフィス移転に関する補助金・助成金の基礎知識をお伝えしました。補助金・助成金について理解が深まり、オフィス移転で活用できるイメージが湧いてきたのではないでしょうか。

とはいえ、補助金・助成金の制度はたくさん実施されています。オフィス移転にどの制度を活用できるのか気になった方も多いはずです。

引き続き、オフィス移転に活用できる補助金・助成金をピックアップしてご紹介するので、気になった制度があればぜひ利用を検討してみてください。

なお、補助金・助成金の情報は時期によって変化します。本記事は2024年9月時点で確認できた情報をお届けしているので、最新情報については公式ホームページをご確認ください。

ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金

ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金は、中小企業や小規模事業者等が革新的サービス開発や試作品開発、生産プロセスの改善を行うための設備投資を支援する制度です。

省力化(オーダーメイド)枠や製品・サービス高付加価値化枠(通常類型)などの区分に分かれています。

オフィス移転に伴い、デジタル技術で人手不足を解消したい企業や、革新的な新事業を立ち上げたい企業におすすめできます。

【省力化(オーダーメイド)枠】

人手不足の解消を目的に、デジタル技術等を活用したオーダーメイド設備の導入等によって、革新的な生産プロセス・サービス提供方法の効率化・高度化を実現する取り組みに要する設備・システム投資等をサポートする枠です。

なお、デジタル技術等を活用したオーダーメイド設備とは、具体的にICTやIoT、AI、ロボット、センサーを活用し、単一あるいは複数の生産工程を自動化するために、SIerと連携して個々の業務に応じて専用に設計された機械やシステム等をさします。

【製品・サービス高付加価値化枠(通常類型)】

製品・サービス高付加価値化枠(通常類型)は、革新的な製品・サービス開発の取り組みに要する設備・システム等をサポートする枠です。

なお、革新的な製品・サービス開発とは、顧客に対する新たな価値の提供を目的に、導入した設備・システム、自社の技術力等を活かして製品・サービスを開発することをさします。

【基本情報】

ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金の基本情報は下記の通りです。

管轄中小企業庁・独立行政法人中小企業基盤整備機構
対象事業者中小企業や小規模事業者等
対象事業者の要件・条件【省力化(オーダーメイド)枠】
設備投資前と比較して労働生産性が2倍以上となるように3~5年の事業計画書を策定

【製品・サービス高付加価値化枠(通常類型)】
新製品・サービスの売上高の合計額が企業全体の売上高の10%以上になるように3~5年の事業計画書を策定
補助額【省力化(オーダーメイド)枠】
従業員数5人以下:100万円~750万円
6~20人:100万円~1,500万円
21~50人:100万円~3,000万円
51~99人:100万円~5,000万円
100人以上:100万円~8,000万円

【製品・サービス高付加価値化枠(通常類型)】
従業員数5人以下:100万円~750万円
6~20人:100万円~1,000万円
21人以上:100万円~1,250万円
補助率【省力化(オーダーメイド)枠】
中小企業→1,500万円まで1/2、1,500円超の部分について1/3
小規模企業者・小規模事業者→1,500万円まで2/3、1,500円超の部分について1/3

【製品・サービス高付加価値化枠(通常類型)】
中小企業:1/2
小規模企業者・小規模事業者:2/3
補助対象経費機械装置・システム構築費、運搬費、技術導入費、知的財産権等関連経費、外注費、専門家経費、クラウドサービス利用費、原材料費

小規模事業者持続化補助金

小規模事業者持続化補助金は、持続的な経営に向けた経営計画に基づき、小規模事業者の販路開拓や業務効率化といった取り組みを支援するため、経費の一部を補助する制度です。

通常枠や卒業枠、後継者支援枠などに分かれています。

通常枠は一般的な販路開拓等の取り組みを支援するのに対して、卒業枠は雇用の増加による事業拡大の取り組み、後継者支援枠は後継ぎ候補者が実施する新たな取り組みを支援するなど、枠によって活用目的が変わります。

オフィス移転に伴い販路開拓や業務効率化、事業拡大、新規事業開始などの施策を実施する企業におすすめです。

【基本情報】

小規模事業者持続化補助金の基本情報は下記の通りです。

管轄全国商工会連合会
対象事業者法人・個人事業・特定非営利活動法人
対象事業者の要件・条件商業・サービス業:従業員数(常時使用)5人以下
宿泊業・娯楽業:従業員数(常時使用)20人以下
製造業・その他:従業員数(常時使用)20人以下
補助上限額(補助率)通常枠:50万円(2/3)
卒業枠:200万円(2/3)
後継者支援枠:200万円(2/3)
補助対象経費機械装置等費、広報費、ウェブサイト関連費、展示会等出店費、旅費、新商品開発費、資料購入費、借料、設備処分費、委託・外注費

IT導入補助金

IT導入補助金は、経営課題の解決を目的としたITツール導入に対して支援する制度です。

通常枠やセキュリティ対策推進枠などの区分に分かれており、組織の目的に応じて申請できます。

オフィス移転はネットワークやセキュリティの環境を見直すチャンスなので、関係するソフトウェアやシステムの導入を検討している企業におすすめです。

【通常枠】

通常枠では、事業のデジタル化を目的としたソフトウェアやシステムの導入をサポートします。組織の課題に適したITツールを導入して業務効率化・売上増加を目指すのに役立ちます。

補助額はプロセスの数が多いほど高くなる傾向です。プロセスは、「顧客対応・販売支援」「供給・在庫・物流」「汎用・自動化・分析ツール」などが掲げられています。最低限1種類以上の業務プロセスを保有するソフトウェアを申請しなければなりません。

【セキュリティ対策推進枠】

セキュリティ対策推進枠では、サイバー攻撃に伴う潜在的なリスクの低減策を支援します。

「サイバーセキュリティお助け隊サービスリスト」の掲載サービスのうち、IT導入支援事業者が提供している(かつ事務局に登録されている)サービスを導入する際、サービス利用料を補助してくれます。既存対策ソフトでは対応できないウイルス感染を防止するツールや、監視・保守とサイバーリスク保険がセットになったサービスなどを利用できます。

【基本情報】

IT導入補助金の基本情報は下記の通りです。

管轄中小企業庁・独立行政法人中小企業基盤整備機構
対象事業者中小企業・小規模事業者
対象事業者の要件・条件日本国内で法人登記をしていること、申請者が営む事業場内の最低賃金が法令上の地域別最低賃金以上であること、労働生産性を向上させる3年間の事業計画を策定することなど
補助額(補助率)【通常枠】
1プロセス以上:5万円以上150万円未満(1/2以内)
4プロセス以上:150万円以上450万円以下(1/2以内)

【セキュリティ対策推進枠】
5万円以上100万円以下(1/2以内)
補助対象経費【通常枠】
ソフトウェア購入費やクラウド利用料(最大2年分)、機能拡張、データ連携ツール、セキュリティ、導入コンサルティング、導入設定/マニュアル作成/導入研修、保守サポートの費用など

【セキュリティ対策推進枠】
ITツールの導入費用及びサービス(最大2年分)
サイバーセキュリティお助け隊サービスリスト

テレワーク促進助成金

テレワーク促進助成金は、テレワークの定着・促進をサポートするために、テレワーク環境の構築を支援する制度です。

システム機器の設置やソフトの利用、保守委託など、テレワークの実施に必要な幅広い費用が補助対象経費として認められています。

オフィス移転に伴いテレワーク環境を整備したい企業におすすめです。

なお、テレワーク実施対象者全員にテレワーク勤務を6回以上実施させた実績が必要になります。6回に満たない場合は減額される点について把握しておきましょう。

【基本情報】

テレワーク促進助成金の基本情報は下記の通りです。

管轄公益財団法人東京しごと財団
対象事業者都内で事業を営んでいる中堅・中小企業等
対象事業者の要件・条件常時雇用する労働者が2人以上999人以下であること、テレワーク実施対象者全員にテレワーク勤務を6回以上実施させること、都税の未納がないことなど
補助上限額(補助率)30~999人以下:250万円(1/2)
2~30人:150万円(2/3)
補助対象経費在宅勤務、モバイル勤務等を可能とする情報通信機器等の導入によるテレワーク環境構築費用(モバイル端末等機器整備費用、システム機器等の設置・設定費用、システム機器等の保守委託等の業務委託料、機器リース・レンタル料、テレワーク業務関連ソフト利用料)、システム導入時の運用サポート費用など

受動喫煙防止対策助成金

受動喫煙防止対策助成金は、中小企業事業者が受動喫煙防止対策を実施するのに必要な経費について支援する制度です。

具体的には喫煙専用室と指定たばこ専用喫煙室の設置・改修に活用できます。オフィス移転に伴い喫煙室等の設置・改修を検討している企業におすすめです。

貸しビルに入居している事業者も施設管理者の承諾を得ることで申請できます。顧客専用の喫煙室を設ける場合も助成対象です。

なお、喫煙専用室の外観や内装など、受動喫煙の防止用に直接寄与しない部分のデザイン料は認められていません。

【基本情報】

受動喫煙防止対策助成金の基本情報は下記の通りです。

管轄厚生労働省
対象事業者中小企業事業主
対象事業者の要件・条件労働者災害補償保険の適用事業主であり、 下記の労働者数(常時雇用)あるいは資本金のどちらか一方を満たす
小売業:50人以下、5,000万円以下
サービス業:100人以下、5,000万円以下
卸売業:100人以下、1億円以下
その他の業種:300人以下、3億円以下
助成額上限(助成率)100万円(2/3)
助成対象経費喫煙室の設置などに係る経費のうち工費や設備費、備品費、機械装置費用など・電気工事や建築工事、配管工事等に係る人件費、材料費、運搬費、設計費 ・喫煙区域と非喫煙区域を隔てるためのパーティション、ドア、エアカーテン ・換気装置、空気清浄装置、人感センサー ・ガラリ、給気扇、差圧式吸気口 ・照明機器 ・消防法等の他法令で設置が義務づけられている機械装置 ・灰皿、出入口に取り付けるのれん ・建築基準法、消防法等の他法令で義務づけられている手続きに係る費用

事業承継・引継ぎ補助金

事業承継・引継ぎ補助金は、事業承継を機に新しい取り組みを行う中小企業や、事業再編・事業統合に伴う経営資源の引継ぎをする中小企業などをサポートする制度です。

経営革新枠や廃業・再チャレンジ枠などに分かれています。

事業再編や事業承継をきっかけにオフィス移転するとき、新体制での事業実施や廃業にかかる経費を補助してもらいたい場合におすすめです。

【経営革新枠】

経営革新枠は、事業承継やM&Aを機に経営や事業を引き継いだ中小企業者が、引き継いだ経営資源を活かして経営革新を行うときの費用を一部補助し、組織の生産性を向上させるための枠です。

【廃業・再チャレンジ枠】

廃業・再チャレンジ枠は、廃業・再チャレンジをする中小企業者等の廃業を支援する枠です。事業を譲り受ける際に既存事業や譲受した事業の一部を廃業する場合や、事業を譲渡して手元に残った事業を廃業する場合などを対象としています。

【基本情報】

事業承継・引継ぎ補助金の基本情報は下記の通りです。

管轄中小企業庁・独立行政法人中小企業基盤整備機構
対象事業者中小企業等
対象事業者の要件・条件【経営革新枠】
事業承継の要件を満たす中小企業者等あるいは特定非営利活動法人である(デジタル化・グリーン化・事業再構築に資する事業を行う)

【廃業・再チャレンジ枠】
廃業・再チャレンジの要件を満たす中小企業者等である(地域の新たな需要の創造あるいは雇用を創出する取り組みを行う)
補助上限額(補助率)【経営革新枠】
600万円あるいは800万円以内(3分の2あるいは2分の1以内)

【廃業・再チャレンジ枠】
150万(3分の2以内)
補助対象経費【経営革新枠】
店舗等借入費、設備費、謝金、外注費、廃業費、産業財産権等関連経費、原材料費、旅費、委託費、マーケティング調査費、会場借料、広報費など

【廃業・再チャレンジ枠】
廃業支援費、在庫廃業費、解体費、原状回復費、リースの解約費、移転・移設費など

オフィス移転で補助金・助成金を申請するときの支給までの流れ

オフィス移転に活用できる補助金・助成金をご紹介しました。気になる補助金・助成金が見つかったのではないでしょうか。

活用する補助金・助成金が定まったら申請を検討することになりますが、初めて申し込む方だと流れがわかりづらいかもしれません。

スムーズに申請できるよう、申請から支給までの流れも確認しておきましょう。

引き続き、オフィス移転で補助金・助成金を申請するときの支給までの流れについて解説します。

STEP1.公募要領の確認

補助金や助成金は、管轄する運営団体が公募要領の公開・告知を行うとともに募集を開始します。年度ごとに申請受付サイトが異なる場合もあるので、間違えないように注意しながら公募要領を確認しましょう。

STEP2.申請準備

運営団体が用意している申請書をインターネットでダウンロードするなどして作成します。企業の概要や事業内容、労働者数、担当者の氏名、電話番号などを記入します。事業計画書や決算書などさまざまな提出書類が求められるので、なるべく早く準備を始めるのが望ましいでしょう。

STEP3.補助金・助成金の申請

申請書の準備ができたら補助金・助成金を申請します。

【電子申請の場合】

運営団体の指定する申請フォームから申請します。不具合が発生しないよう、ブラウザ環境は最新バージョンを利用しましょう。

【郵送の場合】

申請書類の提出先をよく確認したうえで、運営団体の指定する方法で提出します。来所による持参提出が認められない場合もあるので、事前に確認しておきましょう。

STEP4.採択結果の確認と交付申請

審査に通過した場合は採択通知書が届き、事業開始に向けた手続きについて指示されます。審査に落ちた場合も不採択の通知が届くことが一般的です。

なお、採択されただけでは事業を開始できない場合も少なくありません。採択後に事務局から指定された書類を提出することで、補助金額が決定する補助金もあります。その場合は、交付決定書が交付されてから事業を開始できるようになります。

STEP5.計画した事業・工事の実施

採択された計画に基づき事業や工事などをスタートします。計画を進めるにあたって内容に変更が生じる場合は、事前に指定の変更承認申請書の提出が求められることもあります。独断で内容を変更しないようにしましょう。

STEP6.実績報告

事業や工事を計画通りに進めたことを実績として報告します。事前に通知された期限までに指定された提出先に報告書類を提出します。問題がなければ交付額の確定通知書が発行されます。

STEP7.請求

実績報告に基づき補助金・助成金の交付が適当であると認められると、一般的に交付額確定通知書が発行されます。所定の様式の請求書に、振込先として指定する口座等の情報を記載して、指定された提出先に提出しましょう。

STEP8.補助金・助成金の受領

指定した口座に補助金・助成金が振り込まれます。

金額に誤りがないか確認しましょう。補助金・助成金に関する消費税仕入控除額が確定したあとの返納についても見落とさないようにしてください。

STEP9.事業・工事の現状報告

設置した設備の運用状況や帳簿・書類の保存状況などについて指定の報告先に現状報告をします。数年間にわたって報告が義務づけられるケースもあります。書類の保存期間についても確認が必要です。

オフィス移転で補助金・助成金を活用するときの注意点

オフィス移転で補助金・助成金を活用する流れがわかり、申請を検討し始めた方もいるでしょう。

ただ、補助金・助成金のルールは複雑であり、申請にあたって不都合が生じることもあります。申請して後悔しないように注意点も押さえておきましょう。引き続き、オフィス移転で補助金・助成金を活用するときの注意点を解説します。

なお、公募要領に細かい注意点が記載されているため、申請前に細部まで必ず確認するようにしてください。

注意点1.申請や報告には手間がかかる

補助金・助成金を利用するときは、公募要領に目を通して膨大な文章を読み込み、手続きを理解する必要があります。

制度によっては、株主名簿や法人税確定申告書が求められるなど、様々な資料の用意が必要です。採択後は補助事業の手引きに基づき手続きしたり、実績報告書の再提出が求められたり、事務局と複数回やり取りをする場合もあります。

申請や報告に手間がかかると、コア業務に支障をきたすかもしれません。事前に手続きの負担を把握したうえで計画的に準備を進めましょう。

注意点2.補助金は後払いの場合もある

補助金・助成金は後払いされる場合もあります。事業・工事の実績報告に基づき交付が適当と認められた場合に交付額が確定されるパターンです。

その場合、事業・工事で事前に費用を支払う必要があり、申請前に資金を確保しておかなければなりません。実績報告に時間がかかり、予定より支給が遅れてしまえば、資金繰りにも影響が生じるでしょう。

前払い申請によって費用の一部を受け取れる補助金もあるので、公募要領を確認してルールを細部まで把握することが重要です。

注意点3.重複受給に注意

同じ事業で複数の機関から補助金・助成金を申請するのは基本的に認められていません

申請にあたって、過去に交付を受けたあるいは現在申請している補助金の実績について、応募申請書に記載するように求められ、重複がないか確認を促される場合もあります。

すでに利用している制度がある場合、重複受給に該当してしまわないか、公募要領を確認しましょう。不安があれば運営元に問い合わせておくと安心です。

注意点4.課税対象になることも

補助金・助成金は基本的に収入として扱われ、課税・非課税の区分が異なります。課税対象とされる場合は法人税の支払いが必要です。

会計処理上でも仕分けの種類やタイミングに注意しましょう。

基本的に、補助金・助成金は本業の売上以外の収入なので、勘定科目は雑収入で仕訳をします。振り込みが決算期をまたぐケースは、先に未収入金として仕訳して、振り込まれたら雑収入として計上し、未収入金を消す処理を行います。不安があれば運営元や税務署に問い合わせましょう。

注意点5.申請通りの取り組みが必要

補助金・助成金は申請通りの取り組みをしないと返還を求められる可能性があります。計画通りの取り組みが難しい場合は、事務局に連絡・相談して計画変更届を出すなどして対応しましょう。

ただ、天災など事業者の責めに負わない理由がある場合などであれば、返還が求められないこともあります。

返還義務のルールは細かく設定されるので、公募要領で確実にチェックしておきましょう。

まとめ

オフィス移転では内装工事費やインフラ工事費、什器購入費などさまざまなコストが発生します。コストを削減したい場合は補助金・助成金の利用も検討してみましょう。

オフィス移転に活用できる補助金・助成金としてはものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金、小規模事業者持続化補助金など複数の制度がありました。

対象事業者や補助額、対象経費などを公募要領でよく確認して、自社の状況に最適な補助金・助成金を選んでみましょう。

ただ、オフィス移転の費用が明確でないと補助金・助成金を検討しづらいです。移転が決まったらやるべきことをチェックすると必要な経費がわかってきます。

下記のページでオフィス移転に役立つやることチェックリストをダウンロードできるので、ぜひ活用してみてください。

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移転Biz編集室

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こんにちは、移転Biz編集室です! オフィス移転の際に役立つ情報をお届けします。

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